2012年1月29日日曜日

引く交渉の説明の前に、2つの交渉の種類について。 <交渉(2)・引いてみる交渉術の前に・・・>


【ポイント】
1,交渉にも大きく分けて「押し」と「引き」の二種類の交渉がある
2,「押し」と「引き」は立場によって固定されない
3,不利だからといって、焦って押し続ける必要はない。不利でも「押し」で入って「引け」ば相手を引きずり込む事ができる。

前回は押す交渉の大切さについて書きました。そして、押す交渉ができないと、引く交渉が出来ないということも。

営業職のPushPullと同じように、交渉にも大きく分けて「押し」と「引き」の二種類の交渉があります。この2つが使えて、模擬国連においても上手く交渉が出来るようになります。個人的には、「押し」ができないと「引き」ができないと思うので、「押し」の必要性を先に書きました。これが、模擬国連会議に慣れるための手段として「押し」で会議に積極的に参加して欲しい、という意図もあります。「引き」は上手くやらないと会議に参加できずに終わることが多いので。

そして、「引き」。この説明をする前に注意してほしいことがあります。「押し」と「引き」は立場によって固定されない、ということです。

模擬国連会議では、担当国や会議中に置かれている状況で不利になる国と有利になる国があります。基本的な会議では少数派になる先進国や、安全保障理事会改革の会議であまり見方がいないG4(日本、ドイツなど)と呼ばれる国、安全保障理事会での会議での常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシア)ではない10カ国などです。これらの国々は会議が始まる前から置かれている立場によって既に不利な要因を抱えています。そして、不利だからこそ、焦り、自分から交渉に行くことになり、「なんでこれではダメなんですか?」・「お願いだから受け入れて下さい」・「どうすればいいですか?」と押しながらなんとかしようと試みます。でも、これでは相手に有利な条件を引き出され、不利な状況をドンドン加速させてしまうことも考えられます。

その中でも、「引き」の交渉をちりばめて上手い交渉をすることは可能です。また、有利な立場でも「引き」の交渉に乗せられ、有利なはずが、ドンドン対等な関係になっていき、不利な状態になることも考えられます。

不利でも「押し」で入って「引け」ば相手を引きずり込む事ができる、ということなど、事例の紹介は「引き」の交渉についての説明の後にするので、抽象的な部分で終わってしまって申し訳ないですが、

今回は「不利だからといって、焦って押し続ける必要はない」ということをポイントとして、次の「引き」の交渉の説明につなげます。

今日はここまでです。


こひやま あゆむ



思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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2012年1月22日日曜日

ダメだと思っても、何でもいいから30分はとにかく粘る、30分経って、本当に相手の言うことに納得できたらOKする。納得出来なかったらずっと粘る。 <交渉(1)・まずは押してみる>


前に書いたとおり、今回から、交渉について書いていこうと思います。

模擬国連会議では基本的に決議案(Draft Resolution・ドラフト)作りが交渉のベースになることがほとんどです。例外として、決議を作ることを避ける大使や、決議を作らない方がいい結果につながり国もあるけど、8割方は、決議を作ることを会議の中心に位置づけていると感じる。そして、決議作りは複数(310人ぐらい)の大使で共同で行うのが標準です。

そして、まずはこの中で交渉が行なわれます。また、その交渉の中で作られた決議案と使って賛成してもらえるのか、反対をどうやって棄権にしてもらうのか、決議案の合体をさせるのか。といった話をしていきます。

その交渉の第一歩として大切にすべきことを今回は書きます。

それは、「とりあえず、出してみる。押してみる、押し続けてみる」こと!

初めての交渉は緊張します。よく分からないし、文言ってなんだよ。ボトムって何?英語分からない。先輩の知識すげー!という気持ちになり、「これで良いよね?」という問いかけに2秒で屈してしまうことがほとんどです。

ここで、模擬国連初心者に1つアドバイス。

ダメだと思っても、何でもいいから30分はとにかく粘る、
30分経って、本当に相手の言うことに納得できたらOKする。
納得出来なかったらずっと粘る

ということです。1人1人の大使にはその権利が間違いなくあります。相手は、空気感、正しいこと、間違ったこと、よく分からない圧力をごちゃごちゃにして交渉してきます。特に、初心者だと思ったらカモだと思って取り込んで、自分の駒にしようとする人も居ます。その中で、どうするのか。

とりあえず、30分粘って下さい。絶対に引かない。ヤバそうだったら、少し、考えさせて下さい。と言って距離を置き、考える事。最初の交渉から交渉を続けていろんな人と話したり、一人で考えたりして、30分経って相手の言っていることに納得したら同意しましょう。分からないことが一つでもあったら、どんなおかしいと思う疑問でも相手にブツケて下さい。

分からないのに、同意することは決してしてはいけません。そして、欲を言えば、1回目の会議で文言(提案)を出すことをオススメします。どんなヒドいものでもいいので。そして、どこかの決議案に入れて、その決議案を採択することを目指して下さい。

その時の交渉は、文言を入れる交渉をする時も、賛成を求める時も何度も書いている

30分は引かない。そして、納得のいくまで考えて交渉を続ける。

というルールを守って下さい。

厳しいし、逃げることも出来ます。逃げたくなるかもしれません。でも、1回目の会議でこれをすることが後々生きてきます。先輩方、周りの人は臨機応変に交渉をしているかもしれません。でも、それは、いろんな経験を積んだからこそのものです。とりあえず、自分はそんなに臨機応変に行動できないし、どうすればいいのか分からない。と思ったらこの押し続けることをとりあえず、やってみることをオススメします。

次は「引いてみる」交渉術について説明をします。

でも、その交渉術は、1回目の会議ではできないし、押したことがない人には出来ません。だから、とにかく押し続ける交渉と会議を1度、経験して下さい。

そうしないと、次の「引いてみる」交渉術は使えません。

こひやま あゆむ



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2012年1月15日日曜日

媚びへつらう9割になるのか、アガく1割になるのかは自分の気持ちと少しの勇気次第です。 <1回目の会議では・・・>


前回、更新できなかったので。ということで、2回分更新する2つ目です。交渉について、更新する。と書いたのですが、番外編として1回目の会議のススメを書きたいと思います。

模擬国連会議に初めて参加する人の多くは何も考えない人がほとんどです。特に大学から模擬国連会議を始めた人や学校内でやる会議では。それはなぜか。

答えはカンタン。

全く分からない上、先生がいるからです。先輩という名の。「こうすればいい」、「ここで手を上げて」、「ここに交渉に行って」という指示の下、初体験の会議は終わってしまうことがほとんどです。9割の人にとっては。

でも、残りの1割は違います。分からない中でも、あがきます。まず、ルールなどを把握するために先輩にいろいろ聞きます。そして、上に付き従わないといけなくなり、ロボットのようになることに苛立ち、よく分からない中で、自分が出来ることをやろうとします。

訳の分からない論理で食らいついたり、ルールの中で出来ることをどうにかして見つけて行動し続けます。決して、先輩や経験者のパシリになり、媚びへつらい、おしゃべりをすることはありません。

全ての大使は同じ権利を持っているのでそれでいいのです。

そういう人の方が模擬国連会議に慣れるのも速いし、力は伸びます。

少なくとも、3回続けて、誰かにひっつき、自分で考えて行動しないで、他の人の顔色だけを伺って行動する人は会議自体を楽しむことは出来ないです。先輩の話を聞いて、国際問題の知識が増えたなんて思わないほうがいい。専門書を読んで勉強したほうがマシです。友達を増やすのが目的なら、それもいいですが。

9割になるのか、1割になるのかは自分の気持ちと少しの勇気次第です。


こひやま あゆむ

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模擬国連会議における大使の目的は【①人と交わる】→【②決議案作成・決議採択】→【③つながり構築】 <目指す会議の結果は・・・?>


この間の日曜日は更新できず、申し訳ありません。いろいろあったのですが、言い訳はしません。ごめんなさい。一応、落ち着いたので、更新します!今回は前回の分も含めて2つ更新します!まずは、一つ目です!

いろんなコミュニケーション力、知識力、考え続ける力を会議で発揮するのが模擬国連会議ということを前回までに書いてきました。そして、何を会議で目指すのか。ということを今回は書きたいと思います。

一応、模擬国連会議はDraft Resolution(ドラフトレゾリューション<ドラフト>)と呼ばれる“決議案”をみんなで話し合い、作り上げ、提案として投票にかけ、賛成が多ければ決議として公式に会議で決まった文書となります。

ここで、決議案を(みんなで)作成し、決議として採択することが会議の目的とされることが多い。でも、自分はそれが最終的な目的ではない!と思っています。この決議案作りはあくまで、2番目の目的なのかな。と思っています。模擬国連会議における大使の目的は

1,人と交わる
2,決議案作成・決議採択
3,つながり構築

なのかな。と思う。これは、大使は外交の舞台において、長期的に活躍するためには必要なことであり、相手を尊重するためにも結果として会議をいいものにするためにも必要だと思う。模擬国連会議ではその1回限りの会議かもしれない。でも、外交は1回で終わらない。ずっと続いていく。

だからこそ、いろんな大使と交流し(もちろん、交渉はしっかりしつつ)、その中でいい関係を作りながら、相手を思いやりつつ、決議案を作り、いい決議案を気持ちよく作り、良い“つながり”を作って会議を終える。それがいい外交官であり、模擬国連会議に参加する。というのが大使のあるべき姿なんじゃないかな。もちろん、国によって変わるかもしれないけど。

今回は以上!次回からは交渉について書いていきます!

こひやま あゆむ


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2012年1月1日日曜日

日々の生活によって個人が背負っている人間力のようなものも関わってくる・コミュニケーション力 <とりあえず、模擬国連会議の魅力(3)>


ひとまず、2012年もよろしくお願いします。なんとなく始めてしまったブログですが、出来るだけ更新していこうと思います!何か質問などあれば遠慮なく連絡を下さい!


それでは本編へ!

スピーチ、交渉術、モラル、立ち振る舞いなどの力が模擬国連には必要だと私は思います。模擬国連はただ、交渉が上手ければ良いという訳ではない。と信じています。

前回、模擬国連会議は「スピーチ大会」と「二種類の交渉タイム」で構成されているんだ!ということを書かせていただきました。つまり、この時点でスピーチ力と交渉力が必要だということです。でも、それだけではムリだと思うんです。

あなたのまわりに交渉可能な相手が20人居たらどうしますか?

テキトーに相手を選んだりはしないでしょう。どの相手と交渉をすれば自分にとっていい結果を生むことが出来るのか。ということを考えて交渉の相手を決めると思います。それには、いろいろな要因が絡みます。初対面だったらなんとなく感じるカリスマ性や雰囲気、交渉が始まるまでの立ち振る舞い、ウワサレベルの評判などです。

初対面でなかったら、これに加えて、過去に話したり、交渉したりした時の結果がどうなったか。など過去の実績が加わります。なので、模擬国連会議の交渉が実際に議場で始まる前に、模擬国連会議は下手したら日常の生活から始まっています。

なので、それがかなり微妙な自分が言うのも何ですが、模擬国連会議にはスピーチ力や交渉術、模擬国連会議のルールの知識という技術だけではなく、日々の生活によって個人が背負っている人間力のようなものも関わってくる。とここでは言っておきます。

まあ、年功序列とか強豪校など「?」マークが付く部分については機会があれば書こうと思います。

とにかく、模擬国連会議はそれ自体のテクニックだけでは本当に活躍することは出来ません。

次回は、このいろんなコミュニケーション力、知識、考え続けることで目指す会議の結果とは何か。ということについて、書きたいと思います。





思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、
同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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こひやま あゆむ